投資における利益は、値上がり時に売却して利益を得るキャピタルゲインと、保有している間に継続的に配当を得るインカムゲインに大別されます。
キャピタルゲインは売却して初めてその利益を実感できる一方で、定期的なお小遣いのようにお金のフローを楽しめるインカムゲインを選好して高配当株へ投資をする人も多いと思います。
そこで、ただでさえ低金利の時代、投資家は高い配当利回りのある配当株を求めがちですが、これは落とし穴であるかもしれません。
高配当になっている理由を見定めたうえで投資をしないと、期待したほどの配当を得られない可能性が高いのです。
下の図は、S&P500構成銘柄における過去20年間のデータで、予測利回り(forecast yield;赤棒)の層別に実現配当利回り(realized dividend yield;青棒)を提示しています。
予測利回りが高い高配当株になるほど、翌年の実際の支払いとの間にギャップが生じる傾向があります。
投資家が約9%の配当を享受することが期待している場合、実際の利益は約4%にすぎなかったわけです。
少なくとも10%の配当利回りとした企業では、実際には約3%しか恩恵を享受できませんでした。
これは、高利回りの株式は何かしらの理由があるからこそ低価格であることが多いためです。
そういった企業は、配当を削減することにいたるパフォーマンスの低い企業が含まれている可能性があるわけです。
データが示唆することは、中間の利回りとより強力なファンダメンタルズを備えた企業(例えば収益の伸び具合、強力なキャッシュフロー、事業の参入障壁の高い企業)を探すことが得策であるということです。
つまり、各企業のファンダメンタルズを分析する能力が必要になります。
これによって、長期投資であれば最終的により高いリターンをもたらしてくれることが期待できます。
期待利回りと実現利回りの違いを理解することは、投資銘柄の選定において配当カットのリスクを考慮することに役立つと思います。
多くの場合、利回りと安定したファンダメンタルズの間の最良のバランスは約4〜6%でした、4~6%の範囲がギャップが最も少なかったということです。
高配当で個別株投資をする場合、4~6%の利回りとファンダメンタルズを考慮した銘柄への分散投資が必要です。
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